HbA1cの国際標準化問題

2010年08月27日

HbA1c 6.5%以上=糖尿病という糖尿病の新たな診断基準案が昨年6月に国際委員会から推奨されました。(アメリカ・ヨーロッパの糖尿病学会による国際委員会)HbA1c値は、日本糖尿病学会が定め国内で広く使用されているJDS値と、米国を中心に世界的に普及しているNGSP値とでは、算出方法と値が異なります。日本のHbA1Cは米国よりも0.4%低値であり、国際委員会が勧告しているカットオフ値6.5%は、日本の基準では6.1%になります。現在HbA1cの表記法を国際標準化されたNGSP相当値に変更することが検討されています。これは、JDS値に0.4を加えた値になります。ただし日本糖尿病学会は、当面はNGSPに相当する値を海外の医学論文や国際学会での発表時のみに使用し、日常診療では1年後をめどに移行する予定としています。  この国際標準値への移行を実施する時期などについて、医療機関や患者の混乱を避けるよう日本糖尿病学会が検討を重ねています。それまでは診断や治療などで、従来のHbA1c(JDS値)が引き続き使用されます。