HbA1cが国際標準化に伴い4月から約0.4%上がります

2012年01月30日

日本糖尿病学会は、広く糖尿病診療に用いられているHbA1cの値について、「2012年4月1日よりNGSP値を用い、当面の間はJDS値も併記する」との方針を発表しました。
この医師コラムに以前書いたとおり、日本で現在使用されているHbA1c値であるJDS値「HbA1c(JDS)」は、世界の大部分の国で使用されているNGSP値「HbA1c(NGSP)」に比べ約0.4%低値となっています。この問題に対し同学会は「糖尿病関連検査の標準化に関する検討委員会」を立ち上げ、2010年7月より英文誌や国際学会における発表ではNGSP値に相当する値で表示することを基本方針としてきましたが、日常臨床などでは検査値をめぐる混乱を避けるためにJDS値が継続して使われてきました。このたび「体制が整ったので2012年4月1日より日本でもNGSP値“HbA1c(NGSP)”の使用を開始する。なお、2012年度は特定健診などではJDS値を使用し、日常臨床でも両値の違いやHbA1cの意義などを浸透させていく移行期間にあてる」ことになりました。当院でも4月以降の採血においてはNGSP値を用いることになります。これまでのJDS値に比べて約0.4%高くなりますが、糖尿病の診断基準・血糖コントロール指標も0.4%高くなりますので、実質的にはこれまでと同じように考えて検査治療をすすめてよいことになります。当院にも説明パンフレット・ポスターを用意してあります。