糖尿病があると認知症リスクが2~4倍

2015年05月15日

高齢の糖尿病患者さんの認知症が大きな問題になってきています。高齢糖尿病患者の認知症リスクは、アルツハイマー病および脳血管性(主に脳梗塞由来の)認知症ともに、非糖尿病患者の2~4倍といわれています。認知症が進むほど糖尿病のコントロールが難しくなります。まず、食事療法の遵守や運動が難しくなってきます。更に飲み薬が飲めなくなったり、今までできていたインスリンの注射ができなくなったりすることもあり、コントロールが著しく悪化する患者さんが当院にも来院されています。認知症の検査としてはMMSEという質問表による問診でスクリーニングを行い、認知症が疑われる場合には、専門の医療機関で頭部MRIなどで詳細に検査し、治療を開始するのが望ましいです。認知症患者さんでは、血糖コントロールをある程度良好にすること、低血糖をおこさないこと、が大切だといわれています。そのためには家族のサポートや介護保険下のサービスを利用することにより、内服管理やインスリン注射をできるようにするのが有効です。