体の不調と甲状腺の関係

2013年06月07日

NHK朝の情報番組で、甲状腺の病気がとりあげられました。「疲れやすい」「イライラする」「どうきがする」など、体の不調が実は“甲状腺の病気”から来ているかもしれない、という特集でした。番組を見た方が多いらしく「自分もそうではないか?」と疑って何人も当院を受診されています。とはいえ今のところ実際にそうだった方ではいませんし、上記の症状があっても必ずしも甲状腺の病気とは限りません。

日本ではおよそ500万人の人が何らかの甲状腺の病気を患っていると言われています。特に大人の女性に多く発症、知られざる「国民病」となっているのです。甲状腺機能低下症では「だるい」「ヤル気がおきない」などの症状がありますが、思考力の低下が「認知症」や「うつ病」と間違えられていることがあります。甲状腺機能亢進症は全く逆で、「イライラする」「動くとどうきがする」「汗をかきやすい」など症状は比較的わかりやすいのですが、甲状腺機能は一般的な採血項目にはまず含まれないので本人と医師が甲状腺の病気を疑わないと採血されず診断がつかないことがたまにあります。一度採血すれば甲状腺機能はわかりますので、甲状腺の病気が否定できないときは一度は採血しておくべきでしょう。